先週の日曜日のNHKの番組にて、コンピュータ「Watson」がアメリカの有名クイズ番組『Jeopardy!』にて歴代最強チャンピオン2名に勝ったことが紹介されていた。

これを見て、もうチェスの分野だけでなくクイズの応用力が必要な分野でも、人は、コンピュータに勝てなくなったのか・・・と思う(嘆く?)視聴者も多かったと思う。

だが、この対決自体、アンフェア(人間側に不利、実質上のハンデが課されていた)な対決であり、フェアな条件なら人間が勝っていたのでは?というのが個人的な意見だ。そして、番組はあえてそれを(時間の都合上?)隠しているのは、さらにアンフェアだなと思った。

それは、事前に「IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる」という本を読んでいて、この対決の舞台裏、詳細を知っていたからだ。

まず、このクイズ番組の対決で人間側がハンデを背負っていた内容を書く。

①クイズの問題は、人間に有利な問題(より直感力、ひらめきが重視される問題)とコンピュータに有利な問題(より、単純なデータ、知識量が重視される問題)に分かれる。そして、対決は、歴代最強チャンピオン2人とコンピュータ「Watson」が、それぞれ競い合う都合、チャンピオン(人間側)2人は、人間に有利な問題を人間同士が奪い合う状況となり、不利である。

②クイズは、全て早押し、最初にボタンを押したプレイヤーに解答権が与えられる。そして、コンピュータ「Watson」は、そのボタンを押す速度が、異常に速い。(答えにたどり付く早さが、人間とコンピュータが一緒でも、コンピュータが先に押してしまうということ。これは、最後まで番組側と「Watson」制作会社側とで揉めていた事項でもある)

③このクイズ番組は、「デイリーダブル」、「ダブル・ジェパディ・ラウンド」など複雑なルールになっており(詳細は割愛)、高い戦略性が求められる。そして、コンピュータ「Watson」側は、歴代最強チャンピオン2人の戦略を徹底的に分析していたが、チャンピオン側は、コンピュータ「Watson」側の戦略を全く知らされていなかった。

他にも沢山あるが、これぐらいにする。

別に、コンピュータ「Watson」が人間に勝ったのは事実であるし、その開発陣は、まさに偉業を成し遂げたことも事実だ。ケチを付けるつもりも全くない。

ただ、 上記のような隠された情報を知っているか知っていないかで印象は大きく変わるということだ。アンフェアなのだ。

そして、このアンフェアなこと(故意かどうかは別にして裏に隠された情報を隠すこと)は、他のあらゆることに言える。政治、経済、外交・・・。そして、マジックだ。

マジックは情報戦だ。別の側面を隠して、ある事実だけを一方的に強調している情報が、いかに多いことか。マジックは、アンフェアな世界なのだ。

よって、私は、 所詮 the dropperのため、アンフェアな情報に騙されるかもしれない。だが、逆にアンフェアな情報を流すことだけは、決してしないとここに誓うものである。




まー、 「IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる」は、オススメなので、読んで欲しいのを言いたかっただけかもしれない。


大会結果は秘密のみ

コメント

ネット弁慶(自滅型)
2012年6月5日22:52

ながい

KURATA_HAL
2012年6月6日20:00

長くなってしまいました・・・。

SP
2012年6月7日14:24

オチで笑いました。

KURATA_HAL
2012年6月7日19:47

殺伐としたマジック界で、一服の清涼剤になれらば光栄です!

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索